2014年 01月 27日
SーHouse 設計概要

SーHouse
福井市内に建つ家族3人(夫婦+子供)が暮らす専用住宅の計画である。北側1方だけ道路に接している敷地で、残り3方は、敷地境界ギリギリまで隣家がせまっている。この敷地に建っていた今まで暮らしていた住宅は、日中でも薄暗く風が流れない、寒くて暑くて暗い住宅であった。
今回の住宅では、そんな環境を改善すべく、周辺建物の隙間から入ってくる光や風等の自然エネルギーを有効活用した、心地よいパッシブな建築となるように計画をおこなった。平面計画では、生活の中心となるLDK空間を、光や通風を享受しやすい2階に設け、寝室や水廻りを1階に配置した。そして、隣家の隙間からわずかに差し込む光を取り入れるために、南東と南西に開口を設けた。また、2階中心部に吹抜を設けハイサイドライトを設ける事で、温度差換気をおこない、LDKだけでなく北側のフリースペース(子供部屋)まで光が届く計画とした。外壁では、山形のガルバリウム鋼板(ZIG)を採用することで、光の変化を敏感に感じる事の出来る外観とした。
日射通風シュミレーション・温熱計算(UA値・mC値・mH値・μ値等)・C値測定等の様々なモノサシを使いながら細かな検討を積み上げた結果、1年目の年間光熱費は76,221円/年となり、想定以上に安くおさえる事ができた。
外に開く事の出来ない厳しい環境ではあったが、明るく風通しの良い、自然エネルギーを有効活用した、心地よい住宅ができたのではないかと考える。