2018年 09月 24日
■北欧近代建築を巡る旅 アールト&アスプルンド 2日目 夏の家・ストックホルム市庁舎
■夏の家 1937 エリック・グンナール・アスプルンド
ストックホルム郊外に建つアスプルンドの「夏の家」。
外観は、伝統的な農家をイメージしたシンプルで素朴な形態。
リビング棟と居室棟の2棟があり、湖畔の眺望を得られるように角度を7度ほど振ってプランニングされています。
敷地の高低差に合わせて4つの床レベルが設けられ、それらが緩やかに連続する構成で、一番南に位置するリビングの中心的存在の暖炉は、伝統的な農家のかまどのイメージを取り込んでいると言われているそうです。
エントランスとなる西側の外部テラスには長い庇がかかっていて、アスプルンド自身もここに座って日光浴を楽しんでいたとか・・・
さて、この建物で気になるのが建物の配置計画。
南側の景色に対してあまり大きく開かず、西に対して開いている。
南側を開放的に設計している私からすると、なぜ景色がいい南側を思いっきり開放しないのか・・・
いろいろ悩んでいたのですが、北欧の冬至の南中高度を調べて納得しました。
北欧での太陽は、北から日が登り、低い位置を通り、北に沈むという地平線をぐるっと廻っていくような日照となります。
なので、ストックホルム市立図書館がすべての光に対して寛容であったように、すべての光を無駄なく生活とつなげていく設計になったのではないかと考えます。
単純に起きてから寝るまでのライフスタイルと光の関係からプランを考え、朝日を浴びて起床、朝日を浴びて朝食、南の光を感じながらくつろぎ、午後はテラスで西日を浴びながら1日を終えるという感じ!
中村好文さんの住宅巡礼では、この配置計画に対してストックホルムからつながる南北の流れをこの建物を止めるわけにはいかなかったと書かれていましたが・・・多分日射!!
また、この建物の魅力は、伝統的でありながらモダンなところ。
石・木・レンガなどの伝統的な素材をつかいながらも機能的なおさまりとなっていて、人間性を欠いた白い建築とは違い、暖かさのある心地良い空間となっていました。
伝統とモダンの融合。
地域性や人間性の回帰。
まさに今私がやりたいことかもしれない・・・!
■ストックホルム市庁舎 1909-1923 ラグナル・エストベリ
ノーベル賞の記念晩餐会が行われる場所で観光客がいっぱいいました。
庁舎としても使用されているようで、セキュリティーレベルも高く、集団から逸れると外へ出されますよと脅される。
ナショナル・ロマンティシズム建築の傑作としても知られる市庁舎。
築数百年という感じですが、実はまだ築100年。
ヨーロッパ各地の名建築からインスピレーションを受けた折衷的なデザインで、若干悪趣味な印象を受ける。
海へとつながる市庁舎の中庭は、一般に開放されており、市民の憩いの場となっていた。
市民に開かれた市庁舎とは、こういうことを言うのだと思う。
日本では、なぜこういうお金の使い方ができないのだろうか・・・
伊藤瑞貴建築設計事務所でした・・・
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